理事長挨拶

理事長就任のご挨拶

2022(令和4)年6月より、一般社団法人日本LD学会理事長に就任いたしました。みなさんと一緒に、未来へと拓かれる学会にしていきたいと思います。
さて、ここからは理事長職2年間に着手したいことです。

一つ目は、少人数の会員から誕生した本学会ですが、今や1万人を超える会員数となりました。このような大きな学会になるに連れ、いろいろと課題も見えてきました。その一つに、物事の決定プロセスが明確に決まっていないことがあります。そこで新たな委員会を立ち上げ、規約等の見直し、整備を行っていきたいと考えています。これが進めば、今後の学会に関わる執行業務が随分とスムーズに運ぶと思います。未来へと引き継いでいく学会体制をより持続可能なものにするための大切な取組です。

二つ目は、学会の各種委員会と連携して、研究活動、実践活動をより充実させるためのお手伝いをすることです。例えば、昨今研究において不可欠な倫理に関する本学会としての整備を一層すすめていきます。

理事長 海津亜希子

また、学会の顔ともいえる学術誌「LD研究」の査読体制の改善や英語論文の受付等についても展開していきます。広報活動は、会員のみなさんと学会をつなぐ大切な窓口ですね。少しでもわかりやすい情報発信をめざし、ホームページのリニューアルも検討しているところです。その他、アクセシビリティやLD-SKAIPなど、本学会ならではの貢献もあります。既に学会内に組織された各種委員会のみなさんがご尽力しておられます。

三つ目は、先のこととも関連しますが、未来の教育を見据え、本学会だからこそできることはないか・・・例えば、通級指導教室の教員になることを希望している人が、その通り通級で力を発揮できる仕組み、免許制度の在り方等、納得のいく教育環境を構築するためのビジョンを学会内で語り合い、未来の教育への布石を打てないかと考えています。

とここまでは具体な話をしてきましたが、心情的なところで表せば、「人を大切にする学会」「困っている人を本学会の活動によって少しでも救うこと」をめざしたいと思っています。学会に参加したり、雑誌を読むことで、新たな光が見えてきたり、同じ思いの人がいることに気づき勇気づけられたり。LD学会という空間で、それぞれが、それぞれの持ち場でできることをしながら子どもたちの幸せを実現していくこと。それを喜び合えること。そして互いに尊重し合えること。そんな学会になったら素敵ですね。

就任して間もないですが、試練、勉強の連続です。既に様々な課題に直面しています。その度に、学会新執行部のみなさんをはじめ、学会との両輪である一般社団法人特別支援教育士資格認定協会の執行部のみなさん、本学会を大切に思われている多くの方々にお力をお借りしながら何とかやっています。

ホームランやヒットは打てませんが、何とかバントで次に良い形でつなぐことができるようチャレンジしていきます。

最後になりましたが、いつもこのような私を鼓舞激励してくださる初代理事長上野一彦先生、前理事長柘植雅義先生に感謝をこめて。

2022(令和4)年9月
一般社団法人 日本LD学会
理事長 海津 亜希子

歴代理事長ご挨拶

2018年6月

2018年6月、日本LD学会の5期の理事長に選出され就任しました。一般社団法人化直後の1~2期では副理事長、3~4期では理事長を拝命してきました。本学会は1992年に設立され、本年は27回目の大会が開催されます。この6月には、会員が何と1万人を越えました。

さて、近年の教育や福祉や社会の変化は目まぐるしく、国際的な動向にも目が離せませんし、会員一人一人のニーズの変化や多様性を思うと、この学会の次なる進化・改革が求められます。そこで5期では、役員や各種委員会等に、経験豊かな会員に加え、入会して間もない会員や若い世代の会員にも多数就任してもらいました。新たな視点や考えが上手い具合に交じり合って、素敵な化学変化が起きることを大いに期待します。

一般社団法人日本LD学会 理事長 柘植 雅義

私は、1期から一貫して、『魅力あふれる学会』『影響力のある学会』を標榜したいと発言してきました。そのために、「ブランドイメージ」の一層の明確化やより価値の高い「ブランディング」が必要であり、具体的には、(1)「研究力」「実践力」、(2)「発信力」「提言力」、(3)「学際性」、(4)「国際性」、が深く関わります。毎年の大会では、このような考えやそれに基づく取り組みについて、「日本LD学会の魅力と可能性」と題して理事長講演をしてきています。

さあ、皆さん、日本LD学会を、さらに魅力的で可能性に充ち溢れた学会にすべく、一緒に取り組んで行きましょう。そして、LDや広く発達障害の方々にとって、学びやすく、暮らしやすく、働きやすい環境が整っていくことを願って。

2018年6月
一般社団法人日本LD学会
理事長 柘植 雅義

2016年6月

2014年6月に発足した新体制から2年が経過し、2016年6月の代議員会(社員総会)・新理事会において今後の2年間の体制が固まりました。詳しくは、役員一覧、委員会一覧をご覧ください。

日本LD学会は、1992年に設立され、2016年の今日まで、既に24年の歴史を重ねてきています。この4月には会員数が9000名近くに達しました。設立以降、様々な追い風に乗り、とても順調に成長してきた学会といえるでしょう。
その一方で、いよいよ難しい時代になってきたという実感もあります。会員数の急増に伴う会員一人一人のニーズの変化やニーズの多様性、そして、社会や時代の変化、などを的確に掴み、必要な進化を継続していくことが求められます。現状維持は退歩です。さらに、このようなメガ学会となった学会のハンドリングも複雑です。
そのために、既存の委員会のミッションやビジョンを再考したり、必要な委員会を新設したりすることにしました。さらには、中堅や若手の世代の積極的な学会活動や学会運営への参画が必要と考えます。

4年前の本学会設立20周年記念誌に、当時の副理事長の立場から、これからの本学会への期待として、『魅力あふれる学会』『影響力のある学会』を標榜したいと寄稿しました。そして、これらには、「ブランドイメージ」の一層の明確化と、(1)「研究力」「実践力」、(2)「発信力」「提言力」、(3)「学際性」、(4)「国際性」、が深く関わっていると書きました。今後もこの基本的な考えを大切にしていきたいと思います。

最後になりましたが、本学会がまた一つ次のステージに進んで行けるよう、会員の皆さんと共に知恵を出し合って、誠心誠意、取り組んでいきたいと思います。そして、もっともっと魅力的で可能性に充ち溢れた日本LD学会に育てていきましょう。どうぞ、よろしくお願いします。

2014年6月

2014年6月、一般社団法人日本LD学会の理事長に選出され就任しました。

日本LD学会は、1992年に設立され、2014年の今日まで、既に22年の歴史を重ねてきています。初代会長は長瀬又男先生で、2年後の1994年に上野一彦先生が2代目の会長(法人化後は理事長)に就任されました。新たに学会を設立するという大役を長瀬先生がなされ、その後の20年に渡って学会の確かな成長の舵取りを上野先生がなされ、この4月には会員数が8000名になりました。両氏のこのような功績の後を継いで本学会の理事長に就任するということ、本当に身の引き締まる思いです。

しかし、先人のその功績に甘んじたり縋ったりしているわけにはいきません。近年の、教育の変化、社会の変化、国際的な動向、そしてまた、一人一人のニーズの変化やニーズの多様性を思うと、この学会の次なる進化が期待されるのです。今こそ、そしてこれからも、LDの方々、広く発達障害の方々が、学びやすく、暮らしやすく、働きやすい環境を整えていくことが大切なのです。そのために、この学会への期待はますます大きくなることでしょう。

先の本学会設立20周年記念誌に、当時の副理事長の立場から、これからの本学会への期待として、『魅力あふれる学会』『影響力のある学会』を標榜したいと寄稿しました。そして、これらには、「ブランドイメージ」の一層の明確化と、(1)「研究力」「実践力」、(2)「発信力」「提言力」、(3)「学際性」、(4)「国際性」、が深く関わっていると書きました。この11月、大阪国際会議場で開催される第23回大会において、理事長講演として、日本LD学会の魅力と可能性についてお話ししたいと考えています。

最後になりましたが、長瀬先生、上野先生、両氏の高い志と卓越した行動力を肝に銘じて、本学会がまた一つ次のステージに進んで行けるよう、会員の皆さんと共に知恵を出し合って、誠心誠意、取り組んでいきたいと思います。そして、もっともっと魅力的で可能性に充ち溢れた日本LD学会に育てていきましょう。どうぞ、よろしくお願いします。