L-プロ(LD学会プロジェクト)

通常の学校における発達障害等の特別な教育的ニーズのある
児童生徒への専門性のある指導・支援の保障プロジェクトについて
[通称「L-プロ」(LD学会プロジェクト)]

1.本プロジェクトの趣旨

 特別支援教育実施元年の2007年から15年が過ぎましたが、通常の学校において発達障害等の特別な教育的ニーズのある児童生徒へ専門性のある指導を提供することを保障した資格や免許は未だ整備されない状況です。通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合は8.8%(文部科学省, 2022)と増え続けています。また、ギフテッド/2E児を含む特定分野に特異な才能のある児童生徒の指導・支援についても有識者会議の審議のまとめが出されたところです。通常の学校に在籍する多様な子どもたちの個性を互いに認め、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを備えたインクルーシブ教育の発展と展開がますます求められています。
 そこで、発達障害等の特別な教育的ニーズのある子どもたちの教育の未来を見据え、通常の学校における教員等の専門性の確保、自立活動の整理・充実、ひいては新免許制度などの課題解決に向け、学会としてこれらの課題の検討・提案の足がかりとなるようなことができればとの発想から、この度「学会プロジェクト」を立ち上げることとしました。学会員皆で子どもたちのよりよい未来を創っていく礎を模索できればと思っております。

2.本プロジェクトの構造

学会の各委員会を横断・包括的に活動し、各委員会委員や理事を中心とするWGメンバーや、学会員個人それぞれがゴールに向けてできることを考え・提案・実行・発信する。

1)各委員会委員や理事を中心とするWGによる取り組み

  • 大学における特別支援に関する教員養成実態調査 (調査WG)
  • 文部科学省調査(2020年12月報告)を受けての解釈(編集委員会:「LD研究―学会誌特集号 第32巻第3号」)
  • 学会企画シンポジウムの開催(企画委員会・大会等支援委員会等)
  • 教員養成等に関する海外の情報収集(国際委員会等)
  • ギフテッド/2Eに関する研究ワーキングの発足 (研究委員会等)

2)学会員による取り組み(公募)

(A)実践研究

テーマは上記の趣旨に沿ったものとし、現職教員等実践現場で働いている者が自身の実践に基づいて行う個人またはグループの研究とする。

(B)学術研究

テーマは上記の趣旨に沿ったものとし、大学教員や博士課程在籍者、ポストドクター等の研究者が中心となり、個人又はグループで行う研究とする。

(C)研修・セミナー等

テーマは上記の趣旨に沿ったものとし、学会員が個人又はグループで、教員や施設職員、保護者、一般人等を対象に企画する理解啓発(例:研修やセミナー、リーフレット等の作成)とする。