この度の大阪府北部を震源とする地震により被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また、犠牲になられました方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。

関西地区には、日ごろより本学会を支えてくださっている会員の皆様が多数いらっしゃいます。
報道によりますと、一部地域では避難所が多数開設されているとお聞きしており、ライフラインにも影響が出ている地域もあって、避難生活のお疲れやこれからの生活の立て直しへの不安はいかばかりかと拝察申し上げます。

2年2か月前の熊本地震では多数の会員の皆様が被災され、長期の避難生活を送られるとともに、現在も復興に向けて歩んでおられます。
熊本地震での避難所生活に関する状況や課題につきましては、本学会にも被災地の会員の皆様より随時届けられました。
この度、被災された皆様に熊本地震の避難所生活や学校再開時の経験を初動の際に少しでも活かしてほしいとの声をいただきましたので、以下に記させていただきます。

第一に、避難所生活において優先させてほしいのは、「妊婦や高齢者も含めた当該児の福祉避難スペース」を確保してほしいということです。熊本地震の際は「福祉避難所」が設置されていましたが、初動においてはほぼ機能していない状態でした。当該地域の住民として、真っ先に避難するのは「地域の避難所」です。多くの自治体では、学校やコミュニティセンターがその対象となっていると思います。避難所では、飲料や食料の配給が行われますが、当該児の避難所生活で何よりも困るのは、「飲料/食料の確保」です。熊本地震では「並んだ人だけが配給を受ける」という避難所が散見し、長時間並べない当該児が配給してもらえなかったケースが多数ありました。せめて、当該児がストレスなく「飲料/食料、救急備品等を配給してもらえる場」を設定していただくよう、行政担当者に働きかけていただければと存じます。

第二に、初日から「避難所での生活が難しいケースが出てくる」ことが予測されます。当該児の不安が高く、睡眠障害を誘発したり、ASD(急性ストレス障害)の兆候が見られたりする当該児も多くいました。一方で、程度に関わらず家屋の損壊や部屋等の物の散乱状態を目の当たりにした当該児が、「家屋に入れない」「部屋に入れない」と訴え、長期間その状態が続いてしまうケースもありました。仕事の遂行や職場の原状回復との同時進行でご家庭の環境を整えていく必要がございますが、家族揃って食事をする、同じ部屋で添い寝をするなど、まずは当該児の傍で行動を共にしながら、月日の経過や当該児の状態を勘案しつつ平常の生活の流れを取り戻していただければと存じます。

第三に、余震の強弱や頻度にもよるかと思いますが、学校等で不安を訴える当該児も出てくるかと存じます。早速熊本からは、県教育委員会の学校支援チームがこの度の被災地に派遣され支援にあたっているとお聞きしております。全くもって落ち着ける状況ではないかとは存じますが、会員の皆様には当該児に「安心感」を持ってもらえるような寄り添いや働きかけをお願いできればと存じます。また、必要に応じてストレスチェック等も実施していただき、他職種(医師やSC/SSW等)と連携した対応もお願いできればと存じます。

まずは被災された皆様にお見舞いのメッセージをお送りさせていただきますとともに、熊本地震の経験から参考となる避難所生活や学校等での初動において必要と思われることについて記させていただきました。

一般社団法人日本LD学会としてできることがありましたら、ご遠慮なく連絡いただければ幸いです。

一般社団法人日本LD学会
被災地支援委員長 河田 将一
理事長 柘植 雅義